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芋銭は、カッパ絵を多く描いたことから「カッパの芋銭」「芋銭のカッパ」と称され親しまれている。そのカッパワールドが遺憾なく発揮されたのが『河童百圖』である。「百圖」の名が示すとおり、総数百点のカッパ絵で構成されている。これらは単なる「カッパ絵」ではなく、芋銭の人格の反映でもある。実に学殖豊かな作品が、さりげなく描かれている。その背景を知る楽しみは全く尽きない。ささくれた現代社会に生きる私たちにとって、いずれの作品も一服の清涼剤となることは疑いない。本当に愛すべき作品群である。
なお、茨城県立歴史館において開催された『小川芋銭河童百図展図録』(北畠健執筆編集)中に、百図全図の解説が付されている。
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小川芋銭『河童百図』表紙
題字「河童百図」は芋銭筆 芋銭は、カッパ絵を多く描いたことから「カッパの芋銭」「芋銭のカッパ」と称され親しまれている。そのカッパワールドが遺憾なく発揮されたのが『河童百圖』

見返し絵
画賛:まかなくに なにをたねとて うきくさの 典拠:小野小町歌『小野小町一代記』 *左右ページを見開きで表示

題字
河童百圖 芋銭子自題 俳画堂主島田勇吉筆 徳富蘇峰への贈呈書き「徳富先生玉卓下」

自序
カッパと云ふもの古動物として存在したりしや又恠異として存在したりしやといふに 動物としては 享和辛酉六月朔常陸國水戸浦の漁夫が捕へたる屁こきカッパの記録により其存在を確かめたり 怪異としては 九州其他の傅説に不思議を残したり さもあればあれ 予は唯想像の翼に任せて 筆端カッパを捉らへカッパを放ち 遊戯自在に振舞ひて 終に三昧に入るを以て楽しみとなす 即芋銭のカッパかカッパの芋銭かの称ある所以か 之を序となすのみ 昭和戊寅沼凍解る日 芋銭子識

カッパ百圖刊行に就て
文:俳画堂主 島田勇吉

目次-1
芋銭自身が百図の各々に題した。

目次-2
芋銭自身が百図の各々に題した。

第一図 山水悠々
画賛:山悠々 水悠々

第二図 烏貝から生れるカッパ
画賛:千鳥は血貝から生まれると浦の蜑婦が云ふ カッパは烏貝からでも生まれるか 典拠:銚子辺りの伝承

第三図 一本足
画賛:印幡沼の一本足 典拠:印幡(印旛)沼の恠異伝説 参照図:印旛沼出現恠異文書中の図

第四図 胡瓜畑
画賛:胡瓜畑の親子

第五図 丸木船
画賛:丸木舟に遊ぶカッパ 参照図:葛飾北斎『北斎漫画』四編
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